「査読者ガチャ」を防ぐには?
査読プロセスで不満を抱くことは確かにありますが、まずは自身の論文が読者に正確に伝わるよう書かれているかを振り返るべきではないかと思います。たとえば・・・
- 専門知識が浅い査読者であっても、研究内容の概要や意義が伝わるよう工夫していたか?
- 多大な追加実験を要求される場合、実験が不足しているように思わせてしまう記述はなかったか?
- 既存手法の単なる組み合わせと見なされた場合でも、その組み合わせの非自明性や得られた結果の意義を明確に主張できていたか?
こうした点を見直し、査読者がそのコメントを書いた背景を一考することが、リバッタルやリビジョン、あるいは次の論文執筆に向けた改善につながるでしょう。
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- まず、明瞭な論文は、それだけで査読者に好印象を与え、採択確率が上がります。
- さらに、研究の意義や面白さが明瞭に伝わることで、査読者が研究内容をより深く評価し、本質的な価値を認めてもらいやすくなります。
- 分かりやすい論文は読者や研究コミュニティにとって価値が高く、引用数の向上や、研究の波及効果も期待できます。
Reference
- How to ML Paper - A brief Guide
- How to Read a Pape
- 【連載】「伝わる論文」を書くための心得:はじめに
- 松尾豊教授によるインターネットコラム『論文の書き方』『英語論文の書き方』は、私が学生の頃から存在する名著で、当時、大いに勉強させていただきました。
- 論文添削サービスNature Scientific Editingからは、後々解説する「narrative flow」などに関する多くの有益なフィードバックを得ました。これが論文執筆作法を改めて学び直すきっかけとなりました。
- Adrian Wallwork 著『English for Writing Research Papers』(邦訳版として『ネイティブが教える 日本人研究者のための論文の書き方・アクセプト術』講談社)を読んだことで、文章の曖昧さを排除する表現方法についてさまざまな観点から学び、多大な影響を受けました。
- 梶野洸氏によるインターネットコラム『難関国際会議の壁』は、研究の文脈化などの重要な考え方を深める上で大いに参考になりました。